こんにちは。
連日、テレビではクマの目撃情報のニュースを目にしますが、日光国立公園那須エリアもツキノワグマの生息域であり、クマと遭遇する可能性はゼロではありません。
よく「クマ出ますか?」という問い合わせをいただきますが、来訪者の皆さんが「クマの生息域に立ち入っている」という意識を忘れずにお持ちいただくようお願いいたします。
以下、登山者よりいただきましたクマ情報を共有します。
情報提供を受けてヒアリングをさせて、情報の正確性を確認したため、WEBに公開いたします。
※目撃した登山者には掲載の許可をいただきました。
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◎ツキノワグマ目撃情報
・目撃日時:8月15日(金)9時35分頃
・目撃場所:那須ロープウェイ山頂駅から牛ヶ首分岐を牛ヶ首へ向かった登山道のすぐ右側(山側)
↑上記の紫の円と×のところが目撃場所
・クマとあなたの距離:目撃者の登山者は300mほど離れていたが、一番近い方は150mくらいの距離
↑ 上記の写真に人間が映っているので、距離が近いことがわかります。
・クマのサイズ:100㎝~
↑ 遠目からでも大きさがわかります。
・クマはあなたに気づきましたか?:目撃した登山者は遠い距離だったので気づいていなかった。(熊は気にする様子はなく、マイペースにその場にいた。)
・あなたに気づいたクマはどうしましたか?:目撃した登山者はすぐ引き返したそうです。
(ほとんどの登山客は写真をとって引き返していた。引き返して下山する途中でも牛ヶ首側(反対側)で遭遇したと思われる方が迂回して登ってくる方とすれ違った。皆さん、熊がいたから気を付けるように注意喚起していた)
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情報提供ありがとうございました。
【クマと遭遇しないように登山を楽しむためには・・・】
○話し声やクマ鈴など、音を出しながら歩き、クマに登山者の存在を知らせましょう。
○ソロまたは少人数のグループは気をつけましょう。(あまりグループ内のメンバーの距離が離れないように)
○明け方、夕暮れなどクマが活発に活動する時間は気をつけましょう。
○見通しが悪い登山道など(樹林帯で笹が生い茂っている所や分岐など)はバッタリと遭遇する可能性があるので注意しましょう。
○山行の日の数日前にクマの情報があるかを事前に情報収集しましょう。
○全身黒色のウェアは、クマがクマと勘違いして襲ってくる可能性があるので控えましょう。比較的明るい色のウェアをお選びください。
○クマは匂いに敏感で誘引する恐れがあるため、お弁当のゴミなどは必ず持ち帰ってください。カップラーメンの汁も捨てないでください。
○不安な方は、市町村、環境省、ビジターセンター、山小屋などに確認しましょう。
【野生動物との関わり方】
環境倫理プログラム「Leave No Trace(リーブノートレース)」では、原則6に「野生動物の尊重」という原則があります。
登山者もツキノワグマもお互いの存在を尊重し、共存できるように配慮しながら登山をお楽しみください。そして、もし目撃した時は、大きな音や声は出さず、写真や動画をずっと撮るのではなく、素早く引き返し、事故が発生しないように周辺の登山者に周知する(混乱を招かない程度で)ようにお願い致します。
(真山さなやま)
こんにちは。
ツツジの満開の時期を後半戦になってまいりました。
トウゴクミツバツツジ、ヤマツツジは見頃を終え、今はレンゲツツジやサラサドウダンの時期になりました。
もう少しツツジを楽しめると思います。どうぞお楽しみください。
さて、今回は、環境省那須管理官事務所のアクティブレンジャーさんからの情報です。
那須連山の剣ヶ峰から朝日岳に向かう途中の鎖場が崩落したという情報が入り、巡視に行ってきてくださいました。
場所は上記に通りです。
朝日岳は岩場でゴツゴツした岩の所を登っていくルートですが、その途中には鎖場があります。
写真のように、岩が崩れ崩落した箇所がありました。
環境省那須管理官事務所の二川原管理官、土屋アクティブレンジャー、石井アクティブレンジャー、地元の登山者により修復作業が行われ、現在は通行することができます。
しかし、また崩落の恐れもありますので、通行の際は十分お気をつけてお通り下さい。
(真山さなやま)
こんにちは。
新緑の季節となり、葉っぱも少しずつ増えて来ました。
葉っぱが少なく鳥の姿を見やすい季節ですので、バードウォッチングをお楽しみの方も多く見受けられます。
今回は、問い合わせの多い那須岳の残雪状況と日の出平のミネザクラの情報です。
【那須岳残雪情報 5月8日現在 】
現在、残雪や雪渓があるところは以下の所です。
・峠の茶屋から中の茶屋跡の間の登山道
・峠の茶屋から登り、峰の茶屋避難小屋手前の登山道
・峰の茶屋避難小屋から朝日岳に向かう途中の剣ヶ峰の登山道(2ヶ所)
・牛ヶ首と峰の茶屋避難小屋の間の無間地獄付近
▲峠の茶屋から中の茶屋跡の間の登山道(4月27日現在の写真)
滑落の危険は低いですが、滑って転倒する危険性があります。
足元に注意してお歩きください。
▲峰の茶屋避難小屋から朝日岳に向かう途中の剣ヶ峰の登山道
写真の通り、雪渓が2ヶ所残っています。
雪渓には歩きやすいようにトレースはあります。
長さはまだ30m~40mほど残っていますので、急がずゆっくり歩いてください。
VCスタッフと見に行った際も、写真のように人が1人歩ける程度の幅です。
譲り合って通ってください。
▲牛ヶ首と峰の茶屋避難小屋の間の無間地獄付近
こちらの雪渓も40~50m残っています。
足跡もありますが、気を付けて歩いてください。
その他にも、牛ヶ首から日の出平に向かう登山道や姥ヶ平付近にもまだ雪が残っています。
この時期の姥ヶ平や沼ッ原湿原から三斗小屋温泉のルートも残雪があり道迷いの危険性がありますので、
地図やGPSを活用してロストしないように注意してください。
上記の写真は5月上旬の状況です。
天気や気温によって溶けるとこがありますが、滑りやすいスニーカーやサンダルでは歩けません。
トレッキングシューズや登山靴をご用意ください。
【ミネザクラ開花状況】
この時期、ツツジと同様にお問い合わせが多いのはミネザクラです。
南月山や日の出平に自生しております。
ミネザクラは、若干つぼみが大きくなっているかなと思いましたが、まだまだこれからです。
今後の気温や天気によって、開花時期も変わると思いますが、例年と同じく5月20日過ぎになると思います。
同じく、アズマシャクナゲも蕾の状態です。
こちらも開花はまだ先になりそうです・・・。
最後に、那須ロープウェイ山麓駅周辺のミネザクラは開花していました。(3分咲き)
東京では3月に花見シーズンが終わってしまいますが、那須岳は5月に花見が楽しめます。
また随時、開花情報を収集して発信いたしますので、ご確認ください。
(真山さなやま)
こんにちは。
那須連山はまだ雪が残っている場所もありますが、ビジターセンター周辺はツツジも開花し始めており、ようやく春の訪れを感じる季節となりました。
今回は、5月8日に行われました「那須岳開山祭」の様子を報告します。
【日時】令和7年5月8日
毎年、5月8日に行われる那須岳開山祭。
開山祭の前にも山に登ることは出来ますが、この日を過ぎると、那須の本格的な登山シーズンがやってまいります。
ここ数年は、霧の中や強風で天候が悪い中での開山祭が多かったですが、
今年は快晴。雲一つない晴天の中、山開き日和となりました。
8:30の那須ロープウェイ始発には、すでに多くの登山者の姿があります。
みなさん、この日を心待ちにしていたようです!!
開山祭の日のみお買い求めいただける、那須岳神社の神札と木札
木札「参拝之証」を首から下げながら、山頂を目指しました。
※開山祭以外の日はお買い求めできませんのでご注意ください。
山伏のみなさま
法螺貝の音色が山に響きわたります。
那須岳山岳救助隊の皆様も一緒に開山祭に向けて茶臼岳を登っていきました。
いつも、那須岳の安全をパトロールしていただきありがとうございます。
関東平野の最北端、那須野が原も一望でき、遠く茨城県との県境「八溝山」もキレイに見えます。
5月といえど、気温は一桁。
岩陰には氷柱や霜柱が残っており、吹き溜まりには雪渓もあります。
スニーカーやサンダルなど滑る靴での登山はお控えください。
山頂に到着
10:00からの開山祭を前に、約200名ほどの登山者が那須岳山頂に集まっていました。
那須岳神社の祠前にて、那須温泉神社の宮司様による神事が執り行われました。
環境省 日光国立公園管理事務所 那須管理官事務所の瀧口上席管理官が代表して玉串奉奠いたしました。
遠くには尾瀬(燧ヶ岳、至仏山)や会津の山々(会津駒ケ岳)が一望出来ました。
飯豊連峰も見ることが出来ましたが、あまりの存在感に写真を撮り忘れてしまいました、、、
裏那須と呼ばれる山並み(流石山、大倉山、三倉山)もキレイに見えます。
去年よりも残雪がありますが、少しずつ溶けて来ています。
山頂からの峰の茶屋や朝日岳方面
峰の茶屋や剣ヶ峰の周辺は風の通り道になっており、強風が吹きますので十分お気を付けください。
那須連山は、ロープウェイを使ったり、自分の足で登ったり、
山頂をめざしたり、トレッキングで山を周回したり、
ピークハントや縦走が楽しめる日本百名山の一つです。
今年もご安全に那須岳の登山をお楽しみください!!
事前の山の情報、自然情報、登山道情報などは、どうぞ那須高原ビジターセンターをご活用ください。
(真山さなやま)
こんにちは!
今回は、冬のお休みを終えて、4月25日に開通しました「沼ッ原湿原」の様子を報告します。
【自然情報収集日】令和7年5月3日
開通したゲート
今は車で奥の駐車場まで行くことが出来ます。
昨年、那須塩原市が株式会社セブン-イレブン・ジャパンと包括連携協定を締結し、沼ッ原湿原の希少野生植物をシカの食害から守るため、関係機関(那須塩原環境ボランティアの会、株式会社栃木ブレックス、環境省日光国立公園那須管理官事務所)が連携し、シカ防除ネットを設置しました。少しでも貴重な植物や自然環境が守られることを願っています。
詳しくは、こちら
なお、沼ッ原湿原に入る際は、扉が閉まっていることをよく確認してください。
ご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
さて、自然情報を紹介いたします。
まず目に入ってくるのは、クロサンショウウオの卵塊
今年はここ数年では雪も多い冬だったので、湿原の水も豊富にあった印象です。
両生爬虫類にとっても貴重な水ですね。
また、アズマヒキガエルやアカハライモリの個体も見ることが出来ました。
アズマヒキガエルの卵もたくさんあります。(※閲覧注意)
続いて、植物も顔を出していました。
ザゼンソウ
去年行った時よりも多く見ることが出来ました。
ショウジョウバカマ
ハルリンドウ
ヒメイチゲ
木道には、クマのうんこらしきもの(時間は経ってますが。)も・・・。
ツキノワグマの生息エリアでもあるので、散策の際は音が出るものを持参したり、
お連れ様との会話を楽しみながら、十分お気を付けください。
木道から見る裏那須の山々も少しずつ雪解けが進んでいるようです。
トイレもありますので、ご活用ください。
これから春のトレッキングシーズンがやってきます。
新緑や彩り豊かな春の花々をぜひご堪能下さい。
(真山さなやま)
こんにちは!
GWが近づき2025年も早三分の一が過ぎます。
ビジターセンター周辺でも桜が咲き、木々の蕾はぷっくりと膨らみ、春真っ盛りももうすぐですね。
今回の那須ビジ便りは冬季閉鎖されていました峠の茶屋駐車場トイレの利用再開のお知らせです。
本日、お手洗いには駐車場側からは入れませんでしたが、登山口側(山側)に回って休憩スペースから入る事が出来ます。 ⇒
⇒
【登山道状況と残雪期の注意】
本日4月25日現在の残雪状況です。
トイレ裏の階段から鳥居までの間には、緩くなった雪が残っていました。
山頂までの登山道には、まだまだ雪が残っています。慣れておられる方でも油断なさらず、踏み抜きに注意して登ってください。
オーバースペックとは思わずにピッケルやアイゼン(12本歯)をお持ちになり、雪渓箇所や岩場ではご利用ください。
また、今の様な残雪期は道迷いによる遭難が多発する時期です。
「夏道だから大丈夫」、「ピンクリボンがこっちにあるから大丈夫」とは考えず、
1/25000の地図を必ず持ち、あればGPSを利用して、現在地を確認してください。
ビジターセンター周辺のフキノトウは成長しきってしまいましたが、このあたりではまだ顔をのぞかせているくらいでした。
暖かい日が続き自然が私たちを手招きし始めてます。
もうひと月待てば八幡のツツジ、日ノ出平のミネザクラが見ごろを迎えます。
ハイキングや登山に良い季節になってきましたね。どうか安全に楽しんでください!
(写真 真山/文章 中村)
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令和7年度も様々な企画をご用意して皆様のお越しをお待ちしております。
開館時間:8:30~17:30(4月~11月)
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日、5、8、10月は無休)
[注意事項]
◎閉館後はロータリーと駐車場にはチェーンを設置して閉鎖いたします。
◎駐車場閉鎖後はの『EVの充電』、『夜間駐車』は出来ませんのでご注意ください。
皆さまが那須高原を楽しんでいただくためにも、事前に『散策路』『登山道』『天候』等の情報は必ずご確認ください。
散策路選択や登山計画などで相談したいことがありましたら、那須高原ビジターセンターへのお越しください。
スタッフが自然情報収集に行った際には、リアルタイムで開花状況などの情報も提供出来ます。
皆さまのご来館をお待ちしております。
日頃より那須高原ビジターセンターご利用いただきありがとうございます。
2011年11月13日に開館した那須高原ビジターセンターですが、本日、2025年3月9日に来館者30万人を達成いたしました。
2011年東日本大震災から8か月後に開館を迎え、2019年の新型コロナウイルスの緊急事態宣言を乗り越え、無事に30万人のみなさまにご来館いただくことができました。今までどうもありがとうございました。
30万人目の方は、茨城県からお越しの6歳の女の子☆
大人2人、子ども2人の家族4人で那須に日帰り旅行の途中で、ENJOYクラフト(クラフト体験)をやりたいと思って来館してくれました。
どうもありがとうございました。そして、おめでとうございます♪
これからも日光国立公園那須甲子エリアの魅力を発信し、多くの方に訪れていただけるようなビジターセンターを目指していきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
那須高原ビジターセンター スタッフ一同
センター長 真山高士