日本百名山の那須岳は、皇太子と皇太子妃雅子様が登山をされてから知名度も一段とあがり、大変人気があります。
那須御用邸は夏の避暑地として大正15年に設置されたものです。
1923年、当時皇太子であった昭和天皇(1901〜1989)が初めて那須温泉を行幸された際、山々と高原の美しい景観に大変感動され、那須に御用邸が建設されました。竣工時には1か月間ご滞在され、滞在中に初めて茶臼岳に登られています。
昭和天皇に続く歴代の天皇方も、夏になると御用邸でご家族とともに過ごされており、上皇上皇后両陛下のご滞在中には、お二人で御用邸内の散策などを楽しまれることもあります。那須御用邸には、天皇御一家も御静養に来られるほか、秋篠宮御一家が御一緒されることもあります。滞在される時には、散策や登山を楽しまれるなど、御家族での大切なひと時を過ごされます。
豊かな自然が残るこの御用邸の森の動植物について、正確な記録を残し、その後の経年変化などを把握することが望ましいとの上皇陛下のお考えを受けて、平成9年度から5か年にわたって、栃木県立博物館による調査が行われました。その結果、豊かで多様な自然環境が残されており、ブナの自然林などが広がるほか、希少種をはじめ多くの動植物が生息・生育していることが確認されました。 そして、その豊かな自然を維持しつつ、国民が自然に直接ふれあえる場として活用してはどうかとの上皇陛下のお考えを受けて、上皇陛下御在位20年という節目の機会に、御用邸用地のおよそ半分にあたる約560haが宮内庁から環境省へ移管されました。その後、自然環境のモニタリング調査が行われるとともに、フィールドセンターや歩道などの整備が進められ、平成23年5月22日に日光国立公園「那須平成の森」として一般開放しました。
近年の天皇方は、自然と深いつながりをお持ちです。
昭和天皇は、変形菌、海産無セキツイ動物、植物に関心をお持ちであり、那須の植物に関する本を4冊出版されており、収集された6万点の標本は、東京の国立科学博物館に収蔵されています。また、1962年、栃木県の野鳥繁殖事業の一環として、孵化したキジを那須の山中に初めてご放鳥されました。従者の「雑草」という発言に対し「雑草という名前の植物はない」と窘められ、自然に対する敬愛の念が感じ取れるご発言です。上皇陛下はハゼ類の分類に科学的関心をお持ちで、天皇陛下は、たびたび那須の山々で登山を楽しまれ、水政策や水質保全に熱心に取り組まれています。
那須高原ビジターセンターから行ける観光スポットやイベント情報など、各種パンフレットご用意しております。ご自由にお持ち帰り下さい。
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