
那須連山は、那須五峰(那須岳と総称されることもある)を中心とした火山群で、その美しい稜線や、何度来ても飽きさせることのない多様な山の表情は、人々を魅了してやみません。
那須五峰とは、茶臼岳(1,915 m)、朝日岳(1,896 m)、三本槍岳(1,917 m)、南月山(1,776 m)および黒尾谷岳(1,589m)を指します。
那須連山は那須火山帯の南端に位置しており、50万年前に甲子旭岳(1,835 m)で始まった火山活動によって形成されました。30万年前、三本槍岳で噴火が始まり、20万年前から10万年前のあいだに、二岐山(1,554 m)、朝日岳、そして南月山が形成されました。朝日岳と南月山の間に形成されたカルデラ内で、16,000年前に噴火が始まり、度重なる噴火活動の結果、現在の茶臼岳ができました。

茶臼岳は、1408年から1410年(室町時代)にかけて激しく噴火し、この噴火により硬化した安山岩のドームができ、現在の山頂を形成しています。この噴火では180人以上の犠牲者を出したと言われています。1881年には、福島県白河市まで灰が降るほどの大噴火がありましたが、その後も降灰を伴う小規模な噴火などの火山活動が続いています。茶臼岳最大の噴気孔は、通称「無間地獄」として知られています。その名前が示すように、絶えることなく噴気があがり強い硫黄臭と蒸気の雲が漂っています。付近では、硫黄の黄色い結晶を見ることができます。
茶臼岳の山頂へは、登山道や那須ロープウェイを使って行くことができます。

那須高原は標高1000m前後の山地で、那須野ヶ原扇状地の一番北側の、茶臼岳を中心とした山岳地帯のことを一般概念として指します(那須野ヶ原の境界は、箒川、熊川、蛇尾川、那珂川に扇状地が複雑に入組んでおり、それぞれの専門家の立場や識者の間で若干とらえ方の違いはあるようです)。
天皇や皇族の別荘である那須御用邸に代表されるように、温泉のある避暑地として一般人にも人気がでて、四季の彩り豊な自然と山々が一望できる高原リゾートとして発展してきました。

那須地域のハイキングシーズンは5月上旬に始まりますが、山頂には5月下旬まで雪が残ることもあります。ブナや樺の木々が芽吹き次第に緑が濃くなっていきます。動物たちも活気づき、冬眠していたツキノワグマは巣穴から出てきて、アナグマやタヌキも盛んに餌を探し始めます。森の中は栃木県の県鳥であるオオルリのさえずりで賑わい、アカゲラやアオゲラのドラミングも聞こえます。
6月中旬になると、茶臼岳にも花が咲きます。レンゲツツジ、マルバシモツケ、ウラジロヨウラク、7月になるとウスユキソウなど、可憐で美しい花々が、岩肌に彩りを与えてくれます。アサギマダラは、黒、茶、淡青の見事な繊細で美しい模様のチョウで、夏の山岳地帯で見られ、アザミなどの花々をひらひらと舞う姿が見られます。
那須の山々への秋の訪れは早く、エゾリンドウのような秋の花は、早くも8月下旬に咲きはじめます。9月中旬にはナナカマド、ミズナラ、ウリハダカエデ、その他の樹木の葉が色を変えはじめ、10月末には美しく色づいて見頃を迎えます。高山植物は、トリカブト、シラネニンジン、リンドウの花が咲きますが、10月下旬~11月上旬に初雪が降り、だんだんと冬の支度が始まります。
シベリアからの北西風、那須おろしにより、1月の平均気温は氷点下になります。那須高原ビジターセンターから行ける観光スポットやイベント情報など、各種パンフレットご用意しております。ご自由にお持ち帰り下さい。
※下記は一例です。時期により内容等異なる場合がございますので、ご了承下さい。